こんにちは。Sachaです。
実は私、あだち充先生の野球漫画が大好きなのです。
代表作のタッチはもちろん、H2も大好き。
そして今回は、「クロスゲーム」のアニメについて、1話ごとにネタバレ込みの感想を、私なりに思う名言と共にしていこうと思います。
1話「四つ葉のクローバー」
主人公はスポーツ用品店「キタムラスポーツ」の一人息子の樹多村光(きたむらこう)、小学5年生。
幼なじみの四姉妹の次女、月島若葉(つきしまわかば)と、とても仲良しです。
そんな彼女の家は、喫茶店「クローバー」と「月島バッティングセンター」を営んでいます。
ちなみに長女は一葉(いちよう)、三女は青葉(あおば)、四女は紅葉(もみじ)と、四姉妹とも「葉」という字が含まれています。
同じ日に、同じ病院で生まれて、生まれてきた時から隣同士だった若葉と光は、本当に仲が良く、若葉が光を大好きなのは、見え見えです。
1話の「四つ葉のクローバー」では、甲子園球場で試合をしている様子から物語がスタートします。
「5時には終わるからっ!」
物語の序盤、スポーツ用品店の息子である光は、月島バッティングセンターへと、注文されていたボールを届けにいきます。
月島パパからお小遣い代わりに受け取ったメダルで、バッティングをしようとしているところに若葉が登場。
光にスイミングスクールまで送るように頼みます。
光はもちろん送っていきます。
あだち充先生の漫画に出てくる主人公男子は、基本的に女子には優しい。それがまた私的に良いw
もっと言うならば、「分かったよ」「良いよ」と素直に言葉にするわけではなく、バッティングの最中なのに光の姿が消え、ボールだけがピッチングマシンから飛び出てネットに引っかかるという演出で、「光が若葉を送ることにした」ということが分かるシーン。
言葉ではなく、状況で察しさせる、この感じも私は好きなのです。
さて、話はそれましたが、自転車に二人乗りをし、「危ないから捕まっとけよ」と言われ、くっつく若葉と照れる光。
そして、草野球の試合をしていたドアーズの中西に見つかり、茶化される場面も。
ベタだけど、もはやそれが良いのかも…….。
中西は光たちの同級生で、光に騙されて「ドアーズ」という野球チームを作り、キタムラスポーツでユニフォームを揃え、光のお小遣いアップに貢献した少年ですw
「送ったら試合に来いよ」と言われてるのに「やだよ」と返す、嘘つき少年の光ですが、光の嘘つき上手なところは、今後の物語にも影響してきます。
次に光たちが遭遇するのは、4組の赤石くんとその手下たち。
その場をさーっと通り過ぎて行くだけですが、光曰く、学年で一番喧嘩が強く、若葉のことが好き。そう言う光に、若葉は「へー」とだけ返します。
スイミングスクールへ無事送り届けた光へ、若葉は「5時には終わるからね」と言いますが、光は「迎えに来るとは言ってない」と返します。
そんな光に、送ってくれたお礼だと、ほっぺにキスをし、「5時には終わるからね。…….5時には終わるからっ!」と、あざといですね、若葉ちゃんw
あざといとは言ってみたものの、どちらかというと、若葉は、良い意味で自分自身に自信を持っていて、明るくて活発、そして光のことを理解している賢い子なのだという印象を受けました。
「野球も試合もキャッチボールもした事はないけど…….」
若葉を送り届けた帰り道、光は再び、赤石くんと手下たちに遭遇します。
分かりやすく角度を変え、土手を駆け下り、向かった先はドアーズの試合。
「野球しに来たぞ!チームなんだから助け合わなきゃな、2番目に喧嘩の強い中西くんっ。」なんて都合の良いことを言って、試合に参加します。
試合は半ば、5-5の同点ですが、中西くんから辛辣な「お前のエラーが無ければ無失点だよ」とのコメントを受けてしまう光。
そんなやりとりをしている中、相手チームで選手交代があり、ピッチャーに赤石くんが登場。
さり気なくキャッチャーも赤石くんの手下に変わっています。
元々リトルリーグで活躍していた赤石くんは、投手と喧嘩をして野球を辞めてしまったものの、野球はお上手。
次々とバッターたちを三振にしていき、ついに光の出番です。
バッターボックスに立つ光に、手下が一言。
「赤石からの伝号だ。お前と月島若葉の関係は?」
これに対して光は「ただの幼なじみ」との回答をしますが、タイミング良く、若葉が登場。
「キスしてやったのに、なんで迎えに来ないのよ!」と、光としては、「おいおいおいおい、今は言うな」と言わんばかりの展開になってしまいます。
それを聞いて、気合いが入ってしまった、ピッチャーの赤石。
投げるまでの間、私は思いました。
デッドボールで来るか?まともに「勝負」を仕掛けに来るか?
赤石くん、デッドボールではなく、きちんと勝負に出ました。
そして光は心の中で呟きます。
「野球も試合もキャッチボールもしたことないけど、バッドは3歳から振ってるんだ。月島バッティングセンターでほぼ毎日100km以上の球をな。」
見事に光はホームラン。
みんなも唖然、赤石くんも唖然。若葉だけは、なんとなく分かっていたような表情。
クロスゲームの1話、まだ皆、小学生です。
好きな女の子が他の男の子にキスしたなんて知って、ムッとしちゃった赤石くんだけど、試合を放棄することも、わざと光にボールを当てることもしなかった。
光も光で、赤石くんの投げる球を、わざと見逃すような真似はしなかった。
喧嘩が一番強いと分かっていても、若葉を好きだと分かっていても。
赤石くんとしては、打ち負かされて悔しいかもしれないけど、見てるこっち側の人間には、赤石くんが喧嘩ばっかりしてるただの悪で無いことは、しかと伝わった。
ていうか、赤石くんは顔は怖いけど、いい子判定w
「あの2人、幸せになるね。」
さて、場面は変わり、日付は6月10日。
光と若葉の誕生日になります。
毎年恒例の誕生日プレゼント交換。
光は、魚の骨模様のポーチw、若葉は、目覚まし時計をプレゼントします。
ちなみに目覚まし時計は去年と同じ。
「1つじゃ足りないみたいだから。」とのこと。
光は、プレゼントを選ぶのも大変だから、もう辞めないか?と思春期男子っぽいことを言い出しますが、若葉にあっさり却下されます。
やっぱり若葉は、明るくて活発、そして可愛らしい女の子という印象ですね。
そして光もやっぱり、なんだかんだ女の子に優しくて、ちょっぴり若葉に押され気味ではあります。
そんな二人が、たまたま結婚式場の前を通りかかるのですが、若葉は言います。
「あの二人、幸せになるね。私たちの誕生日に結婚したんだもん。」
言い忘れてましたが、若葉は、光曰く「学年一、いや学校で一番可愛い」のだそう。
ヒロインめちゃくちゃ可愛い説は、あるあるですが、自分達の誕生日に結婚したから幸せになると言えちゃう若葉は、中身もやっぱり可愛い。
若葉は口に出してハッキリ言う、光は口には出さない、だけど、生まれた時からずっと一緒だという関係を大切に思う気持ちは一緒なのでしょう。
「その次の日は夏祭りに行くんだからね!」
なかなか賢い若葉は、ある日、光の部屋に貼り紙をします。
それは、今後の誕生日プレゼントリスト。
光が迷わないために用意してきたんですね。
18歳あたりでお嫁さんか?なんて思ったのは、私だけじゃないはずw
若葉はもうすぐスイミングスクールのキャンプがあり、光に「この帽子借りてもいい?」と尋ねます。
「良いけど汚ねーよ」「いいのいいの」とやり取りがありますが、そう、いいんですよ。
女の子からしたら、好きな男の子の物を借りれるなら、多少汚くたってよいんです。
むしろ綺麗すぎるよりも、汚いくらいがちょうどいい。
と、私の意見は置いときましょう。
町では夏祭りの練習の音が聞こえてくるようになった頃、光は若葉のキャンプの前日に、月島家へ花火を見に行きます。
そろそろ帰ろうとする光に、「えっ、もう?」と言ってみたり、「なら送ってく!」と言ってみたり、最終的には、家の目の前の道まで送ることになりました。
光に対して大好きアピールがド直球の若葉ですが、光を送った時にも、ほっぺにチュー。
「明後日には帰ってくるからね。その次の日は夏祭りに行くんだからね!」
光は若葉に対して「はいよ」「へいへい」などと基本的には愛想のない返事をする事がほとんど。
でもね、あだち充先生の主人公男子、しっかり女子の話を聞いてるんですよね。
「そっか…….簡単なことなんだ。」
若葉がキャンプに行っている頃、ちょっとした異変が起こります。
昼間はやっていた、月島バッティングセンターと喫茶店クローバーが夕方には、閉まっていたんです。
樹多村家に掛かってきた電話を受け取るお父さん。
そこに声は無いものの、嫌な予感しかしません。
そしてお風呂上がりに牛乳を飲んでいると、野球中継の間にニュースが…….。
それは、川で溺れてしまった低学年の女の子を助けようとして、若葉が亡くなってしまったというニュースだったのです。
光は表情を変えることもなく、というか、そんなすんなりと受け入れられるわけもないですよね。
葬儀がとりおこなわれた際も、家族達が悲しそうにしている中、光だけは、まだ現実として受け入れられてないかのように、必死に背伸びをして、遺影を見ようとしています。
この背伸びの描写が、「本当に若葉なのか」「本当に亡くなってしまったのか」分かりきっている事を、疑いたくて、でも確かめなきゃいけなくて…….そんな描写に見えるのです。
葬儀が終わったあと、光は出掛けようとし、お母さんに「どこに行くの?」と尋ねられます。
「夏祭り。」
「夏祭りって…….」
戸惑うお母さんの隣で、お父さんがそっと、「小遣いはあるのか?」と1000円を渡します。
男同士だからなのか、光のお父さんだからなのか、きっと、大好きな若葉と、いつも一緒に居た若葉と、夏祭りに行く約束をしていたんだと、お父さんは分かったんでしょうね。
可愛い浴衣を来て、ちょっぴりワガママを言いながら「光!光!」とはしゃぐ若葉が想像出来てしまうけれど、もう若葉は居ません。
光はどうしていいか分からないまま、露店を一人行き場もなく歩きます。
ぶつかってしまったおじさんに声を掛けられるも、「ねぇおじさん、どうしたらいいんだろ」と呟き、立ち去ってしまいます。
帰り道、月島バッティングセンターのそばで、座っていた光。
赤石くんが月島バッティングセンターの前に来ているのを、光は目にします。
赤石くんは手を合わせ、少しした後、目から涙を流します。
「そっか…….簡単なことなんだ。泣けばいいんだ。」
ずっと悲しみや寂しさ、辛さなどの、様々な感情の発散方法が分からなかった光が、やっと思う存分泣くことが出来ました。
赤石くんが泣き、光が泣き、その裏で、若葉の妹の青葉も、がむしゃらにバッティングをしながら、大粒の涙を流します。
そして、私も涙を流し、スマホでNetflixを見ていた私の横で、声だけを聞いていた旦那も涙を流し…….。
1話の最後は涙涙でのエンディングとなります。
1話全体の感想
あだち充先生の作品では、大体主要人物が亡くなるパターンが多く、主人公もしくは幼なじみの親も片親である事が多いですね。
実はタッチの連載は、私の生まれ年でもあり、長くご活躍されている漫画家さんでもあるため、「死が多い」「顔が同じw」というのは有名な方でもあると思います。
子供の頃、「すぐ殺すなぁ」と思っていたこともあったのですが、大人になった今、「死」が多いという認識は変わりませんが、「死」というものを良く理解してらっしゃる先生なのだとも思っています。
人はいつ、どこで、どうなるかなんて分からないものです。
誰かのために命を張ってドラマチックに「死」を感動のために使うのではなく、「死」を起こってしまった出来事として話に入れていくというのは、死を理解しているからこそ書けるのではないかと思います。
さて、今回は主人公光の樹多村家と月島家の関係、光と若葉の関係、そして最後は若葉の死という悲しい会となりました。
恐らくNetflixでのクロスゲームの配信は、MIXがアニメ化してる間だけかと思うので、それまでに見終わらなければ…….w
それでは今回も閲覧して頂き、ありがとうございました。
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